月刊モデルグラフィックス’23年12月号にて 30MINUTES SISTERS シアナ=アマルシア
オリジナルフォーム ヴィヴァーチェフォームプレストの作例を担当しました。
本誌にはカッコカワイイ写真が多数掲載されておりますのでぜひご覧になってみてください!
本記事はモデグラ掲載記事の補完部分について解説しています。
モデグラと一緒にご覧いただければさらに深まる内容です。
公式レギュレーションを参考にミキシングしよう
当ブログ製作記で30 MINUTES SISTERS シリーズを製作した際にはメタルパーツや他社ディテールアップパーツをなど使用しましたが、今回はバンダイスピリッツ公式の30MS夏の思い出フォトコンテストのレギュレーション準じて製作してみました。
レギュレーション規定内の基本製作手順につきましては過去30MS製作記事をご参照ください。
※前作参考記事内ではレギュレーション規定外の作業も含まれますのでご注意ください
コスト度外視でミキシングしよう
ヴィヴァーチェフォームをベースに水中用ポルタのスクリュー、ガールガンレディ&30MINUTESSISTERS 互換オプションのアームパーツで構成しています。
塗装前はこんな感じで使用したパーツがわかります。
シャチユニットヒレはOJ1ランナー11番とステルスアーマーで組み合わせ
30MS系二の腕リングの厚みを取ったものをスペーサーにしマルチジョイントのパイプユニットにディテールを入れノズル状に(後述するクリアパーツがノズルにジョイントします)
バックアームにはガールガンレディ&30MINUTESSISTERS 互換オプションパーツセットXA-1番アーム下に30MS標準背面ジョイントを配置
3㎜径にOJ1ランナー2番に30MM オプションパーツセット 2のボールジョイントを配置
同ロール軸に水中ポルタのヒザ関節(ランナータグで肉抜き埋めしてあります)に30MS スピードアーマー脚部オプション、上にポルタのヒジ関節(二の腕アーマーをカットしてカーバーにしてます)OJ1ランナー8番の構成です。
シャチユニットを接続するジョイントは、OJ1ランナー9番にランナーを刺した物、ポルタ足首関節、30MM オプションパーツセット 2のキャップジョイントでフレキシブルジョイントにしてあります。
スク水も作れぇい
黒スク水も作れぇい
サーイエッサー!!!
というやりとがありオプションボディ タイプS02、04、アームパーツ&レッグパーツを使用して黒スク水シアナさんも製作いたしました。
ウォーターガンやタコさんの作り方も紹介してますので最後まで読んでみてください。
オプションボディパーツを製作するとボディが余ってしまうのでシアナのキットを2キット分用い、ヘッドをもう一つ作製しました。
一つは水着用にヘッドギアジョイントが目立たないようカバーを接着し合わせ目を消しました。
おしながき(使用した物一覧)
初の美少女プラキット作例&久しぶりの 30 MINUTES SISTERS シリーズでございましたので、積(罪)んでいたオプションパーツ(30MS、30MM)を惜しみなく使用して製作いたしました。
使用した物一覧
※30Mシリーズは品薄で高騰している場合があるのでメーカー希望小売価格には十分にご注意ください
30MS系オプション
30MS オプションボディパーツ アームパーツ&レッグパーツ[カラーC]
30MS オプションボディパーツ タイプS02[カラーB](紺色水着パーツ、クリアジョイントのランナー部使用)
30MS オプションボディパーツ タイプS04[カラーC](褐色肌色パーツ、クリアジョイントを使用)
30MS オプションパーツセット4(ステルスアーマー)×2(OP4-A-5番×4、OJ1-ランナージョイント群を使用)
30MS オプションパーツセット1(スピードアーマー)(脚部膝上パーツを使用)
ガールガンレディ&30MINUTESSISTERS 互換オプションパーツセット(XA-1番(二股アーム)を使用)
30 MINUTES SISTERS 水転写式デカール 汎用1
30 MINUTES SISTERS 水転写式デカール 汎用2
30MS SIS-M00 イルシャナ[カラーC](口開きフェイスパーツを使用)
30MM系オプション
30MM 1/144 bEXM-15 ポルタノヴァ(水中仕様)[パープル](大タンク、小タンク×2、ゴーグル、ヒジ関節、ヒザ関節を使用)
30MM 1/144 eEXM-S01U フォレスティエリ 01(ライフル、ロイロイを使用)
カスタマイズウェポンズ(エネルギー武装)(エネルギータンクを使用)
30MM 1/144 アルト用オプションウェポン1(C-13番を使用)
30MM 1/144 ポルタノヴァ用オプションウェポン1×2(ライフル部分、ランサー部分を使用)
30MM 1/144 オプションパーツセット 2(ミサイルランチャー×2、フックパーツ、ジョイントパーツを使用)
カスタマイズウェポンズ (戦国兵装)(槍に一部アルトオプションウェポンを組み合わせて使用)
カスタマイズシーンベース (水上Ver.)
どんだけ使うんだ…
ランナー&タグを活用しよう
公式レギュレーションでは接着、切削加工はOK、ランナーの使用もOKなので同梱されているランナーやランナータグを使用して製作しました。
ランナー&タグで肉抜きをうめよう
後ろ髪パーツの前後合わさる部分が髪房のディテールに一部肉抜きが見えるので、切り取ったランナータグとランナーをプラ板プラ棒代わりに接着、整形して肉抜きを埋めていきました。
加工前 ← → 加工後
パーツが付いていたランナーをプラ材代わりにすれば色味や切削性が同じになるので加工が楽になります。
ランナータグでスペーサーをつくろう
オプションボディの脇下に空洞があるのでランナータグでスペーサーを作りました。
ランナータグの丸い部分をカット整形しスペーサーにしました。
こちらはオプションボディが発売された当時よくSNSなどで見られた手法です。
3㎜径キャップをつくろう
30Mシリーズは3㎜径ジョイントが随所に配置されており、多彩な構成が可能な仕様になっております。
使用しない部分は目立ってしまうので、こちらもランナー加工しキャップを作製しました。
3㎜キャップ作製手順
3㎜ランナーを適度にカットし
①ハイキューパーツセンタードリラーで中心に穴を開ける。
②開けた穴をゴッドハンド スピンモールドで均しディテール化する(センターピンもディテール代わりにします)
③内径3㎜のプラパイプの直径部を切り欠いておき、ガイドにして直径上にスジボリを入れる
最後に穴の深さでランナーをカットします。
センタードリラーやガイドのプラパイプなどの治具を使えば、均一な3㎜径キャップが作製可能です。
シャチユニット上下にある長方形のジョントはOJ1ランナー①がピッタリ嵌まるので、ピンを切り離してキャップにしました。
レンズパーツをつくろう
以前当ブログで製作したシスターは社外レンズパーツを使用しましたが、こちらもレギュレーションに沿って伸ばしランナー、熱加工レンズで作製しました。
熱加工レンズ作製手順
①そのままでは径が大きくなってしまうのでランナーを熱で伸ばし、ランナー径を細くします。(伸ばしランナー)
②先端を熱加工しレンズ状に(熱加工レンズ)
③ランナーからノコでカットし裏面を紙ヤスリで綺麗に整形する
直接火に当てると焦げてしまいますので、日の直上の離れた位置で熱加工します。
私はろうそく(ろうそく立てを使用し)で作業しました。
※熱加工には火を使用しますので、机上などに燃えやすいものを置かないよう
安全を十分確保した上で作業してください。
シャチのアイセンサーも同様に熱加工レンズで製作しました。
アイセンサーは径が大きいので一回り細いランナーを熱加工しました。
ゴーグルレンズをつくろう
ゴーグルにはポルタノヴァ水中仕様のゴーグルを前髪に合うよう裏を削り加工しました。
ゴーグルレンズはカスタマイズウェポンズ(エネルギー武装)のランナータグをカットしフレームに合うように削って作製しました。
塗装後レンズの接着にはセメダインハイグレード模型用(クリアタイプ)で接着しています。
はみ出た部分は水性なので拭き取れます。
ゴーグルの固定にはセメダインBBXを使用しました。
瞬間接着剤や溶剤系だと塗装が溶けてしまいますがセメダインBBXは塗装を侵さず、また接着乾燥後ペリっと剥がすこともできるので便利です。
オプションを活用しよう
30M系オプションパーツや余剰パーツを使いアセンブル&ディテールアップを行いました。
オプションジョイントでディテールをつくろう
シアナ背面の小型スクリューは噴射口が肉抜きになっているので、余剰のフトモモ用リングパーツで肉抜き埋め&ディテールを追加しました。
リングパーツを薄く削ってフラットにし、3㎜軸を合わせフタをし接着します。
乾燥後に余剰部分を削り落とし、イラストを参考にディテールを追加しました。
腕のジョイント穴はリシェッタなどに付属するアームパーツのピンをカットしてキャップにしました。
正方形のピンはそのままでは少し寂しいのでタガネでモールドを彫っています。
脚部も同様にリシェッタに付属するアーマーのピンをカットしキャップ化しました。
キャップをしたところは今回使用しないので塗装後に接着しています。
3Dメタリックシールを活用しよう
首元のシャチレリーフの目の部分をディテールアップします。
カスタマイズマテリアル(3Dメタリックシール)を目の形に合うよう細くカットしてそのまま貼り付けます。
目の部分がキラリとクリアパーツのようになりました。
ウェポンをミキシングしよう
武装はハープーンガンを製作しました。
ポルタノヴァ用オプションウェポン1とOJ1ランナージョイントを使用し、シングルタイプとツインタイプに換装できるようにしました。
ポルタノヴァ用オプションウェポン1のライフル部分と手持ちブレードを、OJ1ランナー1番の長方形ピンをややカットし接続しました。
ツインタイプはライフル銃身両側のジョイントに、OJ1ランナー11番の穴にランナーを刺して接続しています。
さらにホールドしているようなディテールを彫ってみました。
ランサーはカスタマイズウェポンズ (戦国兵装)を使用し、柄をアルト用オプションウェポン1のショートブレードにしました。
スク水用ウォーターガンはフォレステリのライフルに、OJ1ランナー12,14番+ランナー軸にカスタマイズウェポンズ(エネルギー武装)のタンクを接続して構成しています。
ノズルはそのままだと水鉄砲っぽくないので、マルチジョイントのパイプユニットとランナー中心を開口、面取りした物を組み合わせて水鉄砲のノズルっぽくしました。
クリアパーツを活用しよう
水中を元気よく航行している感じを出すためにオプションボディ タイプS04で余ったクリアジョイントリングを各部に装着できるようにしました。
背面の大型スクリューは差し換え方式にしクリアリングパーツを細かくカットし、溝を掘ったフトモモ用リングジョイントに接着しクリアスクリューにしました。
末端のコーン部分も一度切り落とし、ランナーを軸にしてアーム用リングジョイントを配置しました。
腰部小型スクリューにも二の腕用のリングジョイントを輪切りにし挟み込んで設置できるようにしました。
ロイロイをタコさんにしよう
海といえばタコさん(?)夏といえばタコさん(?)なので…
フォレステリのロイロイがタコさんっぽいので(すごく失礼)赤く塗装し凹モールドを目に見立てて製作しました。
ロイロイの足が四本だったのでポルタ用のロイロイを下に差し込み、タコ足8本にしています。
いろんなペインティングをしよう
今回はグラデーションを少し強めに意識し、メカ部にシャドウを吹くなど新しい試みを試してみました。
グラデーション塗装をしよう
ヘアパーツのグラデーション塗装はシャドウ部分が少し濃いめになるよう塗装しました。
まずはミクヘアシャドウにホワイトで淡くしたものでベースを塗装します。
続いてミクヘアシャドウにGXディープクリアブルーを混ぜシャドウを作り、クレオスPS771で細吹きして髪房の谷間に乗せていきました。
やりすぎてしまった時にはベースカラーにクリアを少量混ぜたもので修正しています。
ブルーメカユニットにはサイバーフォーミュラカラー コバルトブルー(2)をベタ塗りしディテールラインにGXディープクリアブルーをシャドウ吹きしました。
ディテールにグラデーションがかかりメリハリがつきます。
スク水にはマーズダークブルーにホワイトを足したものをベース塗装し、シャドウには純色マゼンタとシアンでベースカラーの色調に合わせた紺色を調色、ブラックで彩度を下げたものでラインやシワに細吹きしました。
最後にベースカラーにクリアを添加したものを吹いて境界を馴染ませます。
ゼッケンを塗装しよう
スク水といえばゼッケン(?)なので塗装で再現していきます。
作りたいゼッケンのサイズを割り出し、サイズが決まったらマステで枠をつくりマスキング
ホワイトを吹き少し乾燥させてから再度数回吹き重ね発色させました。
少々厚みが出た方がゼッケン(布)みたいなるので、厚めに吹きました。
作例では30MSデカールのエンブレムを使用しましたがおまけで白いマステ(MTマスキングテープ)にコピックで”しあな”と手書きした物もセットし、撮影時に上から貼ってゼッケンを変更できるようにしました。
それっぽいフォントを探してきて模写しただけなので、常日頃こういう字を書いているわけではございません。
塗り分けでカラーラインをつくろう
サブマリンタイプシスターなのでフィンやスクリューにコーションライン(カラー)を塗分けで再現してみました。
フィンはベースカラーを塗装後マスキングしエヴァヴァーミリオンを少しづつ吹いて発色させ、マスキングを剥がしてライン状にしました。
スクリューのフィン部分もベースカラー→マスキング→エヴァヴァーミリオンで塗分けています。
クリアフレッシュでお肌を塗装しよう
肌パーツは30MS カラーC(褐色カラー)の成形色を活かしたクリアカラー塗装で仕上げました。
ちょうどモデルカステンより褐色フレッシュが出ていたのでこちらを使用しました。
①肩口、ヒジ、ヒザや窪んで影になるところに褐色フレッシュをシャドウ吹きしていきます。
②褐色フレッシュをクリアで割ったもので様子を見ながら全体に吹き付け馴染ませます。
③フィニッシャーズ ホワイトパールをごくごく軽く吹き肌のハイライトにします。(吹きすぎると硬く見えてしまうのでふわっと少しだけのせました)
④仕上げにスーパースムースクリアでつや消しコートをかけて仕上げます。
肌パーツの詳しい塗装方法は前作30MS製作記をご参照ください
フェイスをカスタムしよう
フェイスパーツはキットに3種セットされておりますが、オリジナルフェイスも製作しました。
パケ絵のような笑顔フェイスが欲しい(切実)
レギュレーションでは元のタンポ印刷にデカールや塗装でメイク等を付け加えるはOKなのでアイカラーを塗装で再現しました。
シャドウ、チークのメイクアップのやり方は30MS前作製作記をご参照ください
ノーマルフェイスに鉛筆などで下書きし細めのピンバイスで口角のあたりを付け、タガネ(彫刻刀)で口を彫り笑顔にしました。
口内を塗装後一度EXクリア(ラッカー)でコートしセーブします。乾燥後にエナメルカラーでアイカラーを変更しました。
まずピンクの瞳部分全体にベースのブルーを筆塗りし、下1/3にホワイトを足したハイライトブルーを描きます。
今度はうえ1/3にブラックを足したシャドウカラーを描き、一度EXクリアを吹きセーブしました。
クリアが乾燥したら瞳の中心をシャドウカラーにブラックを足したダークブルーで描きこみます。
瞳のブルーグラデーションはEXクリア(ラッカー)でコートしてあるので、中心部分がうまく描けない時はエナメル溶剤で落とし納得するまで描き直しました。
中心部分が描けたら再度クリアセーブして瞳の両サイド内側に虹彩(”()このような”)を描きます。
こちらもイラストを参照し納得するまで描いたらクリアセーブしておきます。
最後にエナメルホワイトでハイライトを描きますがそのままだと硬い印象になるので、筆先にエナメル溶剤を含ませたもので軽く撫でホワイトをぼやかします。
すべて描きよく乾燥させたら仕上げにスーパースムースクリアーでつやを整えます。
最後に他のフェイスと同様にウェザリングマスターでメイクをして完成です。
セットされていた叫び瞳ピンク(右)を笑顔瞳ブルー(左)にメイクアップし、パッケージアートのような振り向いた笑顔フェイスにしてみました。
仕上がり
あれもこれもとやっていたら通常の倍以上の製作時間を費やしておりました(実質2体作ったようなものですしね…)
グラデーション塗装やランナー加工などにチャレンジできて大変よかったです。
ぜひパーツを惜しみなく使って30Mシリーズ楽しんでみてください!
ブログ内完成品ギャラリーも同時更新しております。
モデルグラフィックス本誌ではステキな写真と細かい解説を記載しておりますのでぜひご覧ください!
モデグラかってね!✨
完成品ギャラリーはこちら
過去作シスターズはこちら
前作30MS製作きはこちら
使用した物一覧
※30Mシリーズは品薄で高騰している場合があるのでメーカー希望小売価格には十分にご注意ください
30MS系オプション
30MS オプションボディパーツ アームパーツ&レッグパーツ[カラーC]
30MS オプションボディパーツ タイプS02[カラーB]
30MS オプションボディパーツ タイプS04[カラーC]
30MS オプションパーツセット4(ステルスアーマー)
30MS オプションパーツセット1(スピードアーマー)
ガールガンレディ&30MINUTESSISTERS 互換オプションパーツセット
30 MINUTES SISTERS 水転写式デカール 汎用1
30 MINUTES SISTERS 水転写式デカール 汎用2
30MS SIS-M00 イルシャナ[カラーC]
30MM系オプション
30MM 1/144 bEXM-15 ポルタノヴァ(水中仕様)[パープル]
30MM 1/144 eEXM-S01U フォレスティエリ 01
カスタマイズウェポンズ(エネルギー武装)
30MM 1/144 アルト用オプションウェポン1
30MM 1/144 ポルタノヴァ用オプションウェポン1
30MM 1/144 オプションパーツセット 2
カスタマイズウェポンズ (戦国兵装)
カスタマイズシーンベース (水上Ver.)
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