ガンプラやプラモデルを塗装する際”下地塗装”として知られるサーフェイサー塗装 通称”サフ吹き”
様々な効果が得られるサフ吹きですが、実際プラモデル塗装に必要あるの?の疑問にお答えしていきます!
各種ハウツー記事もございます👇
Q.サフは吹いたほうがいいのか?【結論】

はじめに結論ですが”極力吹かないほうが良い”になります
なぜならサーフェイサーを吹くデメリットに(メリットは後述で解説)
- 塗膜が厚くなりエッジがダルくなる
- 細かいディテールがつぶれる
- サフを吹くという工程が追加されるので作業時間が増える
- 吹き方によってはザラザラになり、上に乗せるカラー塗膜もザラザラになってしまう
というデメリットが発生してしまうので私は極力吹かないようにしております。

ただし”まったく使わない!”というわけではなくサーフェイサーのメリットをよく理解して使えば作業時間の短縮や完成品へのプラス効果が期待できますので是非最後までご覧くださいませ

メリットとデメリットをよくりかいしよう!✨
Q.サーフェイサーってなに?サーフェイサーを吹くメリットは?
まずサーフェイサーってなに?という話ですが、簡単にいうと塗料と溶きパテの機能を兼ね備えた下地用塗料です。

各メーカ(クレオス、ガイアノーツ、タミヤ)から瓶入りタイプとスプレータイプがリリースされており、瓶入りは溶剤で希釈しエアブラシで吹き付けることができ、スプレータイプは希釈せずそのまま吹き付けが可能です。

薄めたラッカーパテをエアブラシ(スプレー)で吹いているイメージです
サーフェイサーを吹くメリット
細かな傷を埋める
表面処理で磨いた紙ヤスリ800番以上の細かな傷でしたらサフの粒子でだいたい埋まります。
逆に金属ヤスリやナイフの切り跡は埋まりませんので紙やすりで磨いて処理する必要があります。
傷を発見しやすくなる(C面等の形状を把握しやすくなる)
パーツの状態がつや消しグレーになるので傷が見つけやすくなります。
改修したパーツを塗装前にサフ吹きしておけば目視で気が付かなかった傷も発見しやすくなります。
合わせ目を処理したパーツにヒケや気泡がないか、C面幅の確認、プラ板やパテで大きな改修作業時にできた傷や処理もれを発見しやすくなります。
塗料の食い付きをよくする
上に塗ったカラー塗料の食い付きがよくなる…がこちらに関してはプラに塗料を直接塗装しても定着はします。
(剥げる時は剥げます)
どちらかというと製作中幾度となくパーツに触れて手指の皮脂のほうが食い付きの妨げになるので、塗装前に超音波洗浄機や中性洗剤でしっかり洗浄しましょう

超音波洗浄機で洗浄しているところ、中性洗剤を数滴入れれば手指で触れて付いた脂汚れも除去できる
パテ類には目止め剤として有効なので塗装前の下地に活用できます。
下地の統一
下地色を均一にできます…がこちらも特にサーフェイサーでなければいけないこともないので
グレー塗料でもよいですし、明るい色(赤、黄)を塗りたければホワイトやブラウンでもぜんぜん発色します
改修でマテリアルが混合した場合の下地の統一するのにグレーやホワイト一色にすると良いです。
パーツの透け防止
パーツの透けを防止します。
薄いパーツやウイングの先端、LEDを仕込む場合などで吹いておくと良いです。
ただしサフレス塗装でもライトを相当近くで当てなければ透けませんので、あまり気にしなくても大丈夫です。
Q.どんな時にサーフェイサーを吹くと良いの?
それではどんな時にサーフェイサーを吹くと効果的なのか解説していきます。
私がサーフェイサーを使う時は以下の
- たくさん改修した
- 合わせ目が消えているか確認したい
- C面を確認したい&C面を作りたい
- 上に塗るカラーの発色を助けたい
- ウイング先端などを透かしたくない
といったケースで使用しています。
一つずつ解説していきます
たくさん改修した
プラ材で形状を変更した、削って短縮(縮小)した、スジボリをたくさん彫った、フルスクラッチパーツを作った時
パテ類で複数のマテリアルが交差するなど目視での確認が難しい時に一度サーフェイサーを吹いて確認しています。

本ブログで製作したHG Zガンダム中期型 全身くまなく改造したので、サーフェイサーを吹き形状と傷のチェックを行った。
逆に改修箇所が限定されていれば、改修したパーツにのみ吹いて確認しています。

モデグラ作例のHGヒュッケバインMk-Ⅲ 各部改修は行っているが手を加えた部分のみサーフェイサーを吹いている

改修した箇所に細吹きだけでもOKです
合わせ目が消えているか確認したい
接着合わせ目消しを行った際、ヤスリできれいに整えた!と思って塗装してみると凹みや気泡が出現することがあります。
合わせ目消しを行ったパーツは塗装前にサーフェイサーを吹いてチェックしておくとヒケや気泡の処理漏れを見つけやすく
塗装前に再処理ができます。

HGウーンドウォート脚部合わせ目部分にのみサフを吹いた状態
全体にサフ吹きせずともエアブラシの細吹き機能やスプレー缶を吹く向きで処理した合わせ目を狙って吹けば最小限の工程で済みます。


↑サフを吹きパーツ面が均一になることで傷を発見
(というより接着が甘かった💦)
単一色になることでパーツの状態を確認しやすくなります。
C面を作りたい&C面を確認したい
C面を新規で作りたい、C面のヤスリ掛け(面出し)をしたい、C面の状態(幅)を確認ししたい場合は一度サーフェイサーを吹きパーツの状態を確認します。


HGウーンドウォート腕部フレーム、細かいC面が連続している
サーフェイサーが乾燥したら600番でヤスリます。ヤスると下地が見えてどのくらいのC面幅なのか目視しやすくなります。
一気にヤスらずC面を削った分(幅)を確認しながら作業すれば、隣接するC面と合わせやすくなります。
通常カラーでもできますがサーフェイサー(溶きパテ)のほうが削りやすいので、わかりにくい箇所はサフを吹いて作業します。

Cめんはムズかしいね!
上に塗るカラーの発色を助けたい
ブラックやダークグレーなどの暗い色の下地に赤や黄色など明るい色を塗装する場合は
ホワイト、ピンクサーフェイサー等を先に吹いて下地にしておくことで塗装するカラーの発色を補助することができます。
通常カラーでも代用できるため(赤、黄を吹きたい場合下地にホワイト、ピンク、ブラウン等をあらかじめ塗装するなど)
改修や異なるマテリアル色を統一したい時はカラーサーフェイサーを使用します。

モデグラ作例のHGガンダムマックスター 胸部アーマー改修部分、赤を塗るのでピンクサーフェイサーで傷のチェックやプラ材の色味を統一した
ウイング先端などを透かしたくない
薄いパーツやウイングの先端をサフ吹きすることで透け防止になります。
前述したとおりサフレス塗装でもライトをかなり近づけなければ透けないので、薄いウイングパーツ先端だけ吹いておくというのも有効だったりします
またLEDユニットを搭載する場合はLEDの光が漏れないようサーフェイサーや暗い塗料を吹いておきましょう。

モデグラ作例 MGSDフリーダム ハイマットウイング、ウイング先端パーツだけサーフェイサーを吹いて透け防止をしました。
Q.サフを吹かないほうが良い時は?
今度はサフを吹かなくても(吹かないほうが)よいケースを解説していきます
光沢を出したい(ザラつかせたくない)
サーフェイサーの粒子は大きく、塗装するとゴリゴリのつや消しで塗膜がザラザラな状態になります。
サフの上からカラー塗装をおこなうとザラザラの面をそのままトレースしてしまいます。


プラスプーンのままとサーフェイサーを塗装したものにそれぞれカラー塗装をしたもの
プラ地のほうは光沢が出ているが、サーフェイサーの上から塗ったものは表面がザラついている
つや消しトップコートをすればザラつきも抑えられますが、きれいな塗膜にしたい場合はサーフェイサーのザラつきを1000~1500番紙やすりで軽く磨くと良いです。
改造していない&成型色とほぼ同じ色で塗装したい
特に改造(改修)などを行わず塗装だけしたい!
というケースであればサーフェイサーを吹く工程を省いてサフレス塗装でも十分に発色させることができます。
表面処理のヤスリ傷も1000番まで磨いてカラー塗装→つや消しトップコートすればほぼ…というか見えなくなります。
(光沢塗装は下地の研ぎ出が必要になってくるので例外になります)

じっさいにぬってみよう!

プラスプーンで比較 右は400番から1000番まで磨いている

通常カラーを塗装、モデルカステンModelGraphixブルー[2]を3倍希釈でダブルコート1000番の傷は埋まりどちらとも光沢が出ている

さらにつや消しトップコート、フラットベースが光を反射しなくなるので傷は見えなくなりました
成型色に塗る色が同系統の色(成型色赤にレッド、成型色黄にイエロー等)であれば下地色の統一も必要ないので、数回に分けて吹き付けしっかり発色させれば差は出ません。
また現代発売されている塗料はホワイトがしっかり入っており隠蔽力が高く、暗い色の成型色に数回に分けて吹き付ければ赤や黄色でも十分に発色してくれます。


ダークブルーの上にレッド(ガイアノーツ クラッシャージョウカラー ミディアムレッド)を塗装した例、最近の塗料は隠蔽力を高めるホワイトが入っているので数回に分けて吹き重ねればしっかり発色できる
細かいディテールを潰したくない
サーフェイサーは細かな傷を埋める特性があるので通常カラーに比べて塗料の粒子が大きいです。
なので吹き重ねていくと細かなディテールやスジボリが埋まってしまいます。


HGジークアクスの手甲パーツ、何回か吹き重ねると丸いモールドが埋まっしまいエッジもだるくなる
改修後どうしても形状のチェックをしたい時は細吹きで狙って吹いたり、吹き付ける回数を減らしたりして通常カラーの塗装に入ると良いでしょう
エッジを潰したくない(だるくしたくない)
前述のディテール問題と同じくエッジを出したりシャープに加工した部分に塗膜を吹き重ねていくと角が丸くなってしまい、せっかくエッジを出した部分が台無しになってしまいます。
こちらも吹き付ける際は最小限にとどめると良いです。


サーフェイサーのメリットとデメリットをよく理解して吹くかどうかを選択しましょう
サーフェイサーの種類
サーフェイサーは各メーカからスプレータイプ瓶入りタイプが販売されており、色もグレーだけではなくブラックやホワイト、ピンクなど様々なラインナップがあります。
クレオスは500~1500番と粒子の細かさで種類分けされており、水性タイプもリリースされています。
スプレータイプ

スプレータイプは希釈せずそのまま使えるのでエアブラシを準備しなくてもすぐに吹き付けができます。
処理した合わせ目や改修部分にサッと吹きたい時に便利です。
スプレータイプで一気にドバっとでやすいので吹き始めと終わり(一番塗料が出るタイミング)に注意しながら手首のスナップを効かせてサッと吹き付けるとよいです。
瓶タイプ(エアブラシで吹く)

瓶タイプは溶剤で希釈しエアブラシで吹き付けるタイプになります。
エアブラシで吹き付けるので濃度、吹き付け量、エア圧力など自分のやりやすい調整で吹き付けできます。

エアブラシをつかってふくよ!
わたしはクレオスのグレー1200番、ピンクサフ1500番を主に使用しています。
クレオス製は体感ですが乾燥後削りやすい印象なので改修箇所などに良く吹き付けて傷のチェック、修正を行っています。

ハイキューパーツのDPボトルで希釈保管しておくと、瓶からいちいち取り出して希釈しなくてもよいので便利です。
他メーカーもあります。
ガイアノーツがリリースしているサーフェイサーシリーズです。以前使用したことがあり隠蔽力に優れ吹き付け回数を少なくできます。
マルチカラーで展開しており最近スプレータイプも発売されました。
タミヤからリリースされているサーフェイサー
金属パーツへの吹き付けも可能でプライマー効果があり、ビンタイプも販売されています。
まとめ
現代の塗料は隠蔽力など昔と比べて格段に進化しており、サーフェイサーを吹かなくても発色させることが可能です。
絶対吹かなければならないというものでもないので、サーフェイサーのメリットとデメリットをよく理解してご自身の製作スタイルにあわせてチョイスしてみてください。

ハウツーシリーズ次回も何かやりたいと思います

またね✨
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