改修表面処理したパーツを塗装していきます
まずはパーツを一旦ばらして洗浄します。中性洗剤と毛先の細かい歯ブラシで手指の脂やスジボリを行ったところのカスを除去していきます。
塗装に関しては基本的にラッカー系塗料を使用し塗り分けなどに一部エナメル塗料を使用します。
フレームパーツ
パーツを洗浄後乾燥させたら持ち手を付けていきます。持ち手を付ける際に接続軸や可動軸が塗膜で太らないようマスキングテープを軸の幅にカットし巻き付け養生します。
養生しておくことで組付けた際の割れなどの破損、組めたがキツくて可動に支障が出るなどを防ぎます。
まずはフレームから塗装します。
イラストカラーのライトブラウンなフレームカラーを目指し、フラットベースを添加した轟雷ブラウンにメカサフライトを2:1の割合で混合しました。
フレームも1000番まで磨いているのでつや消しカラー+サフで一発吹きで塗装します。
ちなみにフレームから塗装を行うのは、サフカラー→スミ入れで完了するので持ち手棒を節約できるためです。
ハイキューパーツのSTDスラスターはメタルパーツなので一度ガイアノーツのマルチプライマーを薄くダブルコート(厚塗りすると内側のパーツの組付けがキツくなるため)してからサフカラーを塗装します。
塗装したパーツは目立つ傷がないかチェックし、傷を見つけた場合は800→1000番と再度ヤスリがけしてからサフを吹き再チェックします。
チェックに問題がなければ1日乾燥させてスミ入れを行います。
武器類のグレーはフレームと差異を付けるためメカサフライトを吹きます。
クリップなどで持ち手が付けづらい場所は爪楊枝の先端をカットしたものを差し込み、差し込んだ楊枝を持ち手のクリップで固定します。
こちらもフレーム同様傷のチェックが終わればスミ入れを行い完了させます。
アクセント塗分け
メガランチャーのセンサー後部パイプにアクセントをつけるためマスキングしメカサフスーパーヘヴィで塗分けます。
膝関節のフレームとシールドのアタッチメントはアクセントでメタリックにします。
少量のパーツなので、クレオスブラックサーフェイサー1500スプレー缶→傷チェック後→ガイアノーツバーチャロンカラーフレームメタリック2で塗装。
アーマー裏やダボピンカバーにもアクセントでクレオスガルグレーを塗装していきます。
ハイキューパーツのリベットはプラ角棒に1mmの足穴を開けておくと塗装時持ち手として便利です。
乾燥したガルグレーはさらにアクセントでモールドに隠蔽力の高い4ARTISマーカーレッドを筆塗りでレッドポイントを入れていきます。
アルコール系マーカーなのではみ出しはエナメル溶剤で拭き取れます。
さらにアーマー裏はガイアノーツエナメルデントグレーを塗装し、枠の部分を同社エナメル溶剤を含ませたフィニッシュマスターで拭き取ります。
拭き取り後は一度つや消しクリアコートし表面保護後、スミ入れ作業を行います。
肩部フレーム基部はダボピンを開口し、ピン養生(先端だけ出して)→先端にガルグレー→先端マスキング→フレームグレーで塗装
開口した部分にグレーで塗装したO・ボルトを配置してフィールドモーターディテールにしています。
フレーム部は一部アクセントを加えることでグレー一色で単調にならないようにしてます。
ツインアイ
ツインアイはメタリック調にしたくガイアノーツプレミアムミラークロームを塗装
下地はブラックでなく平滑な面の方が反射が綺麗とのことで、ブラックは吹かずコンパウンドで研磨後吹き付けました。
(隠蔽力が高いので黒下地でなくても問題ありませんでした)
ミラークローム塗装後に同社蛍光ブルーグリーン→EXクリアーとEx09を1:1で調合した物でコート→エナメルフラットブラック吹き付け→フィニッシュマスター+エナメル溶剤でツインアイのみ拭き取りで完了です。
蛍光ブルーグリーンはブラックライトで発光反応しますので、撮影時などに発光させて撮影します。
(ミラークロームだと非照射時にあまりキラキラしないので、通常時にも輝きが欲しい時はEXシルバーがおすすめです)
スタビライザーセンサーもブラック塗装後に蛍光クリアーをコートし通常時はブラック、ライトを当てた時はブルーに発光します。
下地サーフェイサー
ここからは本体カラー部分を塗装していきます。まずはサーフェイサーで傷チェックと下地を形成していきます。
サーフェイサーはプロユースシンナーで2.5倍希釈(1:1.5)、0.5口径エアブラシ0.1~0.15Mpa付近で塗装します。
イエローパーツには下地発色の兼ね合いでクレオスピンクサーフェイサー1500を塗装し、傷が見つかったら800→1000番でサフごと削り平滑になったら再度サフでチェックします。
アンテナはスリットが寂しい気がしたのでプラストラクト0.3角棒でディテールアップしました。
レッドパーツも発色の関係でピンクサーフェイサーを吹きます。この時点で合わせ目や改修跡をチェックします。
ホワイト、ブルーパーツにはサーフェイサー1200を吹きます。
特に改修が多い箇所なので接着剤の気泡、ヤスリ傷などを入念にチェックします。
サフ塗装後は念のため一日以上乾燥させてからカラー塗装に入ります。
カラー
カラー塗装はプロユースシンナーで3倍希釈(1:2)、0.5口径エアブラシ0.1~0.15Mpa付近で2回吹きます。
イエロー
イエローパーツは本体イエローにガイアノーツ勇者カラーシャインイエローにExホワイトで調色し明度を上げたものを、スラスタースリット内側をゴールデンイエローで塗装します。
イエローはイラストで色味が異なるので二色使用しました。
ライフルブラック
ビームライフルには勇者カラーブレイブブラックを使用、やや青みがあるブラックをチョイスしました。
ライフルはあらかじめグリップ基部をメカサフライトで塗装しておき、マスキングしてからブレイブブラックを塗装します。
レッド
レッドはガイアノーツクラッシャージョウカラーミディアムレッドを塗装します。
ミディアムレッドは明度が高いレッドでイラストの淡い赤を再現しました。
ブルー
ブルーにはガイアノーツNAZCAシリーズコバルトバイオレットを塗装。
メガランチャーにも塗装しこちらもアクセントであらかじめメカサフライトを塗装しておき、マスキング後ブルーを塗装します。
コバルトバイオレットは絶妙な赤味がでるのでイラスト再現に丁度よかったです。
ブルーアクセント
ブルーパーツにはイラストで一部色味の違うパープルのパネルが入るので、ガイアノーツサイバーフォーミュラカラーバイオレットをマスキング塗装します。
胸パーツの上部パネルを彫ったラインに沿ってマスキングし、バイオレットを塗装します。
コバルトバイオレットと並べて自然な色味になるようにチョイスしました。
腕部パネルはマスキングの難易度で先にバイオレットを塗装→マスキングし、コバルトバイオレットを塗装しました。
フライングアーマーブラック
フライングアーマー、シールドにはガイアノーツNAZCAシリーズフロストマットブラックを使用します。
フロストマットブラックは黒すぎないやや明度の高いブラックなのでキャラクターもののブラックに丁度良いです。
シールドの中央パーツにレッドを塗装しますが本来であればマスキング→ホワイト→レッドですが、ミディアムレッドは白の顔料も含んでいるのでマスキング後ブラックの上から直接塗装し3回ほど吹き綺麗に発色させました。
可動モデルには隠蔽力の高い塗料であればなるべく塗装層を減らしてパーツが太るのを避けます。
フライングアーマーのレッドパーツにもイラストを参考に一部マスキングしブラックを塗装しています。
ホワイト
ホワイトパーツはガイアノーツニュートラルグレーⅠとEXホワイトを1:1で調色したニュートラルグレーハーフ(勝手に命名)を塗装します。
クレオスのスペアボトル大が60mlで計量できるので30mlずつで調色してます。
※ホワイトは粒子が大きく粒になりやすいのでクアトロポルテマルチシンナーで3.5倍弱(1:2.5)程に希釈して塗装します。
白は特にザラザラになりやすいので、大量の吹き付けは避け慎重に塗装します。
エナメル塗料塗分け
本体各所のイエローポイントはガイアノーツのエナメルカラーイエローに隠蔽力を付加するため、ホワイトを添加し本体イエローカラーに似るよう調整し1:3で希釈し塗装しました。
余計なところにかからないように大雑把にマスキングし吹き付けます。ブルーやブラックはなかなか発色しないので薄く5~6回ほど塗装します。
マスキングテープをはがしてエナメル溶剤を含ませたフィニッシュマスターで慎重に拭き取ります。
(マスキングテープをはがす時は急いで剥がすと塗膜ごとめくれてしまうのでゆっくり剥がします)
エナメル塗料を使用することによりマスキングの簡易化や塗分けの境界が滑らかに仕上がります。
続いてスラスター内を先ほど調色したイエローにエナメルマゼンタを添加したオレンジイエローを調色し吹き付けました。
マスキングが難しい箇所は細吹きし、塗装後に拭き取ります。
最後にアーマー裏のメカ部をNAZCAシリーズエナメルデントグレーを細吹きしフィニッシュマスターで拭き取り、見える部分を塗分けます。
仕上がり
すべてのパーツにカラー塗装、一部塗分けが完了しました。塗装後最低でも一日は空けてから次の工程に移ります。
(※画像はまだエナメル塗分けを施していません)
次回は仕上げ組立編でお送りします!
※記事内の製作に関する解説で分かりづらい箇所や用語、画像等がありましたらお知らせください
(内容により追記、修正します)
※メーカー希望小売価格にご注意ください
コメント
ついに塗装編ですね。
あれだけ切り刻んだのによくぞここまできれいで平滑、そしてエッジの利いた表面であることは、
とても並大抵の手間と処理センスでは不可能だと思うのです。
本記事ではあっさり色選びと塗装の記事となっていますが、
青パーツ部分の胸や肩口などの仕上げはどうやったらあそこまできれいにできるかについては、
秘密であろうとw是非詳しく教えていただけると嬉しいです。
他にも細かなレッドポイントのこだわりとか、今回の記事にも参考になることがたっぷりです。
いやマジですごい。
なんか展示会でこの現物が見れたそうで。見たかったなぁ…
ちくろうさんこんにちは、記事遅くなりましたがご覧いただきありがとうございます。
今作は製作途中から展示会に出す計画になり、これはより丁寧にやった方がと感じ特にエッジ出しや表面処理はサフの回数が多くなるほどでした。
ゴッドハンドさんのエッジ出しヤスリで面出しし傷がなくなるまでサフ→ヤスリがけを行い処理しました。
ただ変形やパーツの細分化を行ったため数か所サフなどで太りクリアランスの甘い箇所が出てしまったので次回の教訓にしたいですね。